採鉱本部 写真の上にマウスをおくと現在の様子が見えます

現在の採鉱本部跡
旧:昭和43年(1968) 原茂夫氏撮影  現:平成12年(2000)11月25日撮影

 採鉱本部とは別子銅山の中枢の場所で、坑内の管理保安採掘に関する全ての管理を担っていました。
 
大正5年(1916)別子山村東延(とうえん)からこの東平の地へ移転されました。
 その後、
新居浜の端出場(はでば)へ移転される昭和5年(1930)までの14年間別子銅山の中枢の地として東平が位置づけられました。
 端出場に移転された後は、
東平坑係の事務所として使われました。しかし、端出場の本部と同じ機能はありました。
 
採鉱本部は写真の煉瓦作りの建物(現マイン工房)の右の建物です。
 東平から端出場に採鉱本部が変わる間の年数が短かったのは、山中よりも海よりの新居浜の方が何かと便利だった為でしょうか。

採鉱本部事務所と収銅場  写真@は、別子山村東延からの移転当初、第三通洞近くに設置された採鉱本部です。
 その前には収銅場も設置され、坑内からの鉱毒水を処理していました。
 昭和3年(1928)に、東平地域の中枢機能が集積していた、東平集落へ採鉱本部は移転します。
 その際、この収銅場は取り壊され、坑水路を設置し、新居浜山根(やまね)まで送水し鉱毒を処理しました。
 現在もその設備は稼働し続けています。
 市内でも見受けられる下部鉄道跡の横に設けられたコンクリートの溝が、坑水路です。
 処理水は、磯浦海岸から瀬戸内海に流送されています。
@採鉱本部事務所と収銅場   明治末期に撮影 別子銅山記念館蔵
 写真Aも、第三集落採鉱本部事務所です。
 二階建ての立派な建物です。
 明治時代でしかも山の中の建物としては素晴らしいものです。
 さすが、別子銅山の中枢の場所ですね。
 明治35年(1902)採鉱課東平出張所として建築されましたが、明治40年(1907)6月の暴動で焼き討ちされ、同年7月に再建にかかり、翌年の明治41(1908)年3月に完成しました。
 写真は、その頃のものと思われます。
 写真を見ると、坑夫が人車に乗って作業に向かおうとしている様子が伺えます。
 その横には、坑内で用いられる木材が積まれています。
採鉱本部周辺の様子
A採鉱本部周辺の様子 明治末期に撮影 別子銅山記念館蔵
別子最初の電気機関車  写真Bは、電気機関車(トロリー型)を前に修学旅行中の子どもたちが記念撮影をしたものです。
 電気機関車の導入は明治38年(1905)で、別子銅山では最初の電車導入になります。
 アメリカ、ヴァルドヴィン社製で、2.5トンの重量があり、木製の鉱車7両をけん引していました。
 この電車導入によって搬出量は飛躍的に伸びました
B別子最初の電気機関車 大正期に撮影 別子銅山記念館蔵
東平坑事務所入口 現在の東平坑事務所前跡
C東平坑事務所入口 (旧採鉱本部) 昭和37年(1962)冬 松浦勲氏撮影 D東平坑事務所前 昭和43年(1968) 原茂夫氏撮影
旧保安本部(現:東平マイン工房)  写真の上にマウスをおくと現在の様子が見えます写真の上にマウスを置くと、現在の様子が見えます。
 写真Cは、東平集落へ移設された東平坑事務所(旧採鉱本部)の入口です。
 当初の採鉱本部の立派な建物とはずいぶんとは違っていますね。
 
写真Dは、東平坑事務所の前です。写真右が事務所です。写真奥の煉瓦作りの建物は保安本部です。
 
煉瓦作りの建物は東平では、この保安本部第三変電所だけだったそうです。
 今思うと残念ですが、
木造の建物は撤退の際に全て焼却してしまいました。
東平に現存する数少ない遺跡で現在完全な状態で残っています。
 
保安本部となりの松の木を見ると時代の流れを感じますね。
 現在は、
東平マイン工房(写真E)として生まれ変わり、銅版画やレリーフなどを体験したり手作りの楽しさを味わうことができます。 
E旧保安本部(現:東平マイン工房)    平成12年(2000)4月25日撮影 東平マイン工房の利用は3月〜11月、10:00〜17:00となっています。
写真E旧保安本部の補足
 保安本部は最初、東平配電所として第三変電所と同じ年代に建築され、明治38年(1905)12月に新居浜の火力発電所から、11000KVAを受入し、大正5年(1916)まで配電を行いました。
 道理で保安本部と第三変電所の造りがよく似ているわけです。
 その後、山林課事務所となり、後に左半分保安本部右半分就業調所、最終的にはキャップランプ室となりました。

インタビュー ビデオをご覧いただくには、RealPlayerソフトが必要です。 リアルプレーヤのダウンロード
加重忠利さん 
 平成12年(2000)11月29日 本校にて収録 
 採鉱本部の変遷について
                 
(1分44秒) 
ビデオの再生 
1276KB
 現在マイン工房として使用されている
 レンガ作りの建物の変遷について
                 
(1分03秒)
ビデオの再生
775KB


オープニング メインメニュー 産業の心 教育の心 生活の心 感謝の心