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重要文化財に指定された旧広瀬邸

講師:新居浜市広瀬歴史記念館名誉館長 末岡 照啓先生

場 所 新居浜市広瀬歴史記念館
年月日 2003年(平成15年)7月13日
時 間 13:30〜17:00

 今年7月、国の文化財として指定を受けた、旧広瀬邸についての学習会が行われました。

 始めに、広瀬歴史記念館において、本記念館の名誉館長でもあり、住友史料館の主席研究員である末岡 照啓先生から、旧広瀬邸についての概要やエピソードについてお話がありました。

末岡 照啓先生 末岡先生の講演会
末岡 照啓先生 末岡先生の講演会

 旧広瀬邸の主屋は初め、明治10年(1887年)現在の場所から北約4キロメートルほど離れた旧金子村の久保田に建築されていました。

 同18年からの広瀬邸の移転に伴い、乾蔵・米蔵などと共に現在地に移築されてきました。

 明治22年には附属の新座敷と庭園が、大阪の棟梁八木 甚兵衛と植木屋 清兵衛の手によって竣工しました。

 その後、大正・昭和初期にかけて、南庭や中之町池(亀池)周辺の整備が行われ、今日みる姿となりました。

 この旧広瀬邸は、平成15年4月18日の文化審議会答申により、「別子銅山を支えた実業家の先駆的な近代和風住宅」として、重要文化財に指定されることになりました。

 指定にあたっての主な評価点は、次のようなものでした。

 @敷地内の建築がほぼすべて残り、改造もほとんどなく、明治中期の、大規模和風住宅の姿を今日に伝える遺構として貴重である。

 A主屋及び新座敷は、いずれも数寄屋風の意匠を凝らした上質なつくりで、眺望を意識した部屋を複数持つなど、住宅機能のみに留まらず、迎賓館としての役割を兼ね備えた構成も特徴的であり、高い価値がある。

 とのお話がありました。

みなさん熱心に話をお聞きしています。 庭の様子(庭の石や灯篭は京都から取り寄せています)
みなさん熱心に話をお聞きしています。 庭の様子
(庭の石や灯篭は
京都から取り寄せています)

 お話の後、場所を旧広瀬邸に移し、末岡先生に邸内をご案内いただきながらご説明を受けました。

 残念ながら、大雨で内庭に出られなかったのが残念でした。

 特に望煙楼での説明の中で末岡先生が盛土や樹木があって新居浜市街を望むことが出来ず、1番のロケーションが損なわれ残念だとのお話がありました。

 ライトアップで望煙楼や避雷針が見えるようにしたい。

 そして赤煉瓦塀と白い壁と黒い瓦を是非みてみたいとのお話に私たちも共感しました。

 旧広瀬邸の中は広々としていて、今の住宅とは違った雰囲気が漂っていました。


旧広瀬邸の中の様子 旧広瀬邸の中の様子
旧広瀬邸の中の様子

 末岡先生から直接お話をお聞きすることができ、現地での説明もいただくという貴重な体験をさせていただきました。

 そして、私がここに訪れて、こんな身近な所にこんな素晴らしい重要文化財が存在しているのに驚きました。

 広瀬 宰平という人はどんな人だったのか、どんな思いで活動してきたのかがわかった気がしました。

 私は、この広瀬宰平さんの良さをこのホームページを通してみんなにもわかってもらいたいと思います。

 そして次の世代へ受け継がれていくように頑張りたいと思います。
                                                          片山千種

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