第8回産業遺産モデル学習講座
『知の増殖都市の形成』
講師 多摩大学教授 望月照彦先生
日 | 平成13年1月31日(水) |
場所 | ウイメンズプラザ新居浜 |
時間 | 18:00〜20:00 |
第8回目を迎えた産業遺産モデル学習は本日が最終講座となりました。
最終回の講座をご担当されたのは、多摩大学教授の望月照彦先生です。
望月先生は『知の増殖都市の形成』を主題に産業遺産を核に知の”未産(みさん)”づくりへをテーマに7つの項目に分けてお話くださいました。
講師 望月 照彦先生 |
まちづくりのすばらしいヒントをいただきました |
望月先生は独創的ですばらしいアイディアをお持ちの方で、「未産」とは未来への財産、未知なる遺産のことをいいます。
産業遺産は、
○過去を語る遺物ではなく未来に続く地域の宝物である。
○未来のヒントになる遺伝子・記憶を持つもの。
○地域の誇れる情報である。
○地域の個性である。
ヨーロッパにある世界有数の観光地の例を出され、当初半日に数人しか通行しなかったところに今は年間200万人の人が訪れるようになったのは、古い遺産を残し、新しい産業を始めたからだというお話をしていただきました。
近代化産業遺産は、新しいことをはじめる起爆剤。
みんなが知恵を出し合えば、経営の資源である。
産業遺産は、今から作ることはできないから、今残っているモノを上手に生かしていくことが大切。
そのためには、3つの知恵が必要。
−知恵・地恵・政恵−
人の知恵、大地の知恵、行政の知恵この3つが一体となって初めて産業遺産、街が成り立っていく。
20世紀はプラントの時代、21世紀はプラトンの時代・知恵の時代だ。
とおっしゃていました。
知の増殖都市にむけて、これから考えること産業遺産だけではなくて綺麗な中心市街地や豊かな自然やなりより市民の澄んだ心に出会える都市づくり。
広い視野をもってヒトの心も産業も美しい風景も見られる、誇りを持てる街づくり考えなくてはいけない。
「歩みよる人にやすらぎを、去り行く人にしあわせを」
この言葉は、ドイツのローテンブルグという街の門に刻まれている言葉だそうです。
この街には、笑顔にあふれ、自然にあふら、人の優しさにあふれたすてきな街だそうです。
何年も何日も居たくなるような素敵な街にすばらしい人々。いいなと思いました。
私のふるさとである新居浜が、そんな街に少しでも近づければ素敵だと。
今回の学習講座は、産業とは、遺産とは、知とは、何かを改めて考えさせられる内容のお話でした。
この全8回の産業遺産モデル学習講座に参加して、別子銅山、新居浜、遺産、などとても身近にありながらも、とても手の届くものでないと思っていたものに数多く接することができました。
新居浜では産業遺産を守る為に行政、市民、ボランティアなどの多くの人が活動していることにも驚きを覚えました。
別子銅山の勉強を初めて多くの方と出会い、交流する機会をいただきました。
そして、この学習講座に参加できるようになって多くのことを学べました。
まだまだ、知らないこと、解らないこと、学ばなければならないことは、数え切れないくらいあるけれど、この産業遺産モデル学習講座を通して産業遺産・別子銅山に秘められたことを少しでも理解できたような気がします。
黒田 美樹