第1回 福森 豊さんとの学習会
場所 | 本校(総合情報処理室) |
取材日 | 2001年3月23日(金) |
時間 | 10:00〜15:30 |
今回は観光ボランティアガイドをされている福森 豊さんにご来校していただき学習会を開かせて頂きました。
福森さんは、私たちが参加させていただいている観光ボランティア養成講座をきっかけにお知り合いになった方です・
福森 豊さん | たくさんの資料をご用意いただきました。 |
福森さんは住友金属鉱山株式会社のOBで、坑内の探鉱作業(ボーリング)を行っていた方です。
探鉱作業は鉱脈を探し、これからの採鉱の方向づけをしていく大切な仕事です。
最初に、探鉱作業に使用していた機械の説明などをしていただきました。
次に私たちの質問にお答えていただくという形で勉強会を進めていきました。
質問は、仕事の関係から、生活面などについて30を越えました。
それでも、一つ一つ丁寧にご回答いただきました。
当時使用されていたコンパス 坑内での方角や、探鉱に活用されました。 |
通知書も大切に保管されていました。 会社名が変更になり紙を貼って修正しているところが珍しいです。 |
中でも、お話を聞くだけで背筋がゾッとした内容がありました。
それは福森さんご自身の体験談でした。
誰も通ることのない坑内で一人作業をしていると、キャップランプが突然切れてしまったそうです。
唯一の明かりが消えてしまったので漆黒(しっこく)の闇だけが広がり、恐怖のあまり体が震えたそうです。
「もしかすると、ランプの球がゆるんでしまっただけでは・・・」と思い、震える手で慎重に締め直しスイッチを入れたのですが、つかない。
助けを呼ぶために叫んだとしても、狭い坑内なので反響し、意味がないそうです。
足元も見えない闇の中、自力で人のいる場所へ行くために、よつんばになり線路をたどっていったそうです。
途中にはズリという縦に深く掘り下げている穴があったりと、ヒヤヒヤしながら前へ進んでいったそうです。
出張が多かった福森さんは休日になると子供を自転車に乗せて走ったり、映画館へ行ったりと、よく子供さんの世話をしていたそうです。
「辞めたいと思ったことはありませんか?」との質問に、「自分の仕事に自信を持っていたので全くありません」と戻ってきました。
別子銅山で採れる鉱石の標本をお持ちでした。貴重です! |
今回の学習会で、坑内で仕事をする福森さんの意気込みを感じることができました。
そして、仕事の大切さ、仕事への自信や誇り、さらには、家族への愛情の大切さを学ぶことができました。
こういった、現場で働いていた方のお話をこれからももっと聞いてみたいと思いました。
福森さんは学習会の後も定期的に多くの資料をご提供していただいています。
これからのホームページでご紹介させていただきます。おたのしみに!
小松 洋子