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四阪島で使用された転炉 平成14年(2002)1月6日撮影 | |||
転炉というのは、炉の形がつぼのようになっていて、炉を自由な角度で回転できることから名付けられています。 溶鉱炉からドロドロの液体のまま出される”カワ”(銅成分を含んだもの)に空気を吹き込み酸素と反応させて粗銅にします。 直径は約3mで、1度に10トン余りのカワを処理できました。 この写真は、転炉から粗銅を出しているところです。 |
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グレートフォールス式転炉 昭和23年(1948)頃 別子銅山記念館所蔵 |
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カラミ電車(別名:お壺列車)は、銅を取り除いた後の製錬カスを写真手前にある大きな器に入れ、海岸まで運び、捨てていました。 現在、カラミ電車は転炉と同様に愛媛県総合科学博物館の屋外展示場に展示されています。 大正10年(1921)から昭和30年代まで、溶鉱炉からカラミを液状のままカラミ壺に受け、海岸の処理場まで牽引して捨てました。 一つの列車にカラミ壺2〜3個を連結していました。 夜、カラミを捨てた際の風景はとても幻想的だったそうです。 |
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四阪島で使用されたカラミ電車 平成14年(2002)1月6日撮影 | |||
お壺電車 昭和35年(1960) 日和佐初太郎氏撮影 |
カラミを捨てている様子 昭和35年(1960)頃 別子銅山記念館所蔵 |
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左の写真は、カラミ列車で40年近く運ばれたカラミによって出来た岸壁、通称「カラミの岸壁」です。 このような風景は、世界でもここだけではないでしょうか。 この近くには、四阪島に1日2回500dずつ水を運搬している水運搬船(みのしま)を接岸させるための桟橋(さんばし)が設置されています。 |
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カラミの岸壁 平成13年(2001)4月5日撮影 | |||
カラミはただ捨てられるだけではありませんでした。 これを利用して、レンガが作られました。 いわゆる「カラミレンガ」とよばれるものです。 左の写真は、四阪島製錬所の事務所の裏にあるカラミレンガの壁です。 また、建築物の土台や塀などにも使用されており、四阪島独自の風景を見ることができます。 |
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カラミレンガの壁 平成13年(2001)8月19日撮影 | |||
右の写真は大山積神社へ続く参道の階段です。 カラミレンガは銅成分が多いほどきれいな色を出すそうです。 ここで使用されているカラミレンガは島内で一番綺麗だそうです。 カラミレンガは1ブロックの重さが60sもあります。 ところで、現在のカラミは技術の向上により、銅成分がほとんど取り除かれ、そのために粘りが無く、レンガにはならないそうです。 そこで、建築材料として無駄なく利用されています。 |
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大山積神社の参道にあるカラミレンガの階段 平成13年(2001)4月5日撮影 |
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四阪島の一部の海岸は、左の写真のように特殊な環境になっています。 それは、下のような石ころ大のカラミで埋め尽くされているからです。 近くの岸壁で液体のカラミが捨てられたとき、海水との温度差で爆発します。 その時に散ったものが、このような大きさとなり海岸へ流れ着き、カラミの海岸をつくりました。 |
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カラミの海岸 平成13年(2001)8月19日撮影 |