大植林発祥の地

 伊庭貞剛の大植林事業の発祥地である別子山村中七番に、平成5年(1993)11月住友林業株式会社が経営するフォレスターハウスがオープンしました。
 ここでは、宇摩郡別子山村に住友林業が持つ林での木材生産と、環境保全を目的に、一般の方々に自然や林業に交わる機会のふれあいの場を提供してくれています。
 建物内では植林の様子やグラフを使い、林業の歴史などを詳しく紹介しています。
中7番にあるフォレスターハウス
フォレスターハウス       平成13年8月9日撮影
伊庭貞剛没後75周年
永遠に

 この地で、平成13年(2001)10月21日に、伊庭貞剛没後75周年を記念して式典が行われました。
 式典には伊庭貞剛の企業・行政の関係者のみならず、ご子孫の方など多くの方が参列され、碑の完成を祝いました。
 この碑を作るために、市民の方々に100円募金を募り、その気持ちが集まり建立されました。この100円募金は、すぐに集まったそうです。
 碑には、伊庭貞剛の歌った詩が彫られています。
   『五ヵ年の 跡見返れば 雪の山』
伊庭貞剛没後75周年記念式典 平成13年(2001)10月21日撮影 
石碑裏側の銅板にはこう書かれています。

 日本を代表する鉱山であった別子は、多年に及ぶ森林の乱伐と精錬の煙害から、明治中期には一木一草も生えない山肌となり、自然災害もしばしば起こしていた。
 当時、別子銅山支配人として着任した伊庭貞剛は、この荒廃した山容に接して、「別子全山を旧の青々とした姿にして、之を大自然にかえさねばならない」との強い願いから、大造林計画に着手した。また、新居浜地方の煙害解決策として、四阪島への精錬所移転にも大いなる決断を下した。
(右下に続く)
今回除幕された記念碑
建立された記念碑  平成13年(2001)10月21日撮影 
記念碑の裏 (左上文からの続き)
 明治三十二年(一八九九)一月、別子での大任を終えて大阪本店へ帰任する伊庭は、新居浜の港を発った後、船上から別子の山々を仰いで、一句を詠んだ。
      【五ヵ年の 跡見返れば 雪の山】
 この句を送られた心友の品川弥二郎は「月と花とは人に譲りて」と付け句した。品川
は、伊庭の別子時代は苦難の季節のみで、やがて訪れる好季節は後進に譲ったと、爽やかな処し方に賛辞を呈したのである。
 伊庭の国土に報いる志は、後の人々にも確実に継承され、今日別子は生態系の豊かな森林としてよみがえった。平成十三年(二〇〇一)、伊庭貞剛没後七十五年にあたり、造林事業ゆかりの中七番の地に、その偉業に感謝し徳を敬慕する者が相集い、顕彰の碑を建立する。
平成十三年十月二十一日
伊庭貞剛没後七十五年感謝式典
実行委員会一同
碑文の文字は伊庭貞剛直筆書状などからの集字である
記念碑の裏側    平成13年(2001)10月21日撮影 

アカモノ

 右の写真は、「アカモノ」という植物です。
 別名「銅山いちご」といいます。実は甘酸っぱく、ジュースやジャムにして食べることができます。そして、右上にあるのがアカモノの花です。
 今では、別子銅山の山に様々な種類の植物が自生し、四季折々の自然を私たちに楽しませてくれる素晴らしい環境となりました。
 アカモノは、昔に比べると減少しています。この現象は、山が人の手を離れ、ありのままの姿に戻ろうとしている、自然の力です。
アカモノ(別名:銅山イチゴ)
アカモノ(別名:銅山イチゴ)    平成13年(2001)7月24日撮影
藤本鐵雄さんとの交流会
広がる人の輪
 左写真の中央の方は、松山大学総合研究所地域研究センター研究員の藤本鐵雄さんです。本もご執筆されるなど様々な分野でご活躍されている方です。
 藤本さんとは、平成12年(2000)8月に開催された「近代化産業遺産全国フォーラム・新居浜大会」でお会いさせていただき、ご縁ができました。そして、私たちの活動にいつもご援助下さっています。
 現在は県外にお住まいですが、この度、伊庭貞剛の記念式典のためご来県下さったところ、ご多忙の中にも関わらずご来校いただき、ご指導・ご助言をいただき、親睦を深めることができました。
 今回の式典参加は、藤本様のおかげで実現することができました。
藤本鐵雄さんとの交流会(本校にて)         
平成13年(2001)10月21日撮影 

ふくらむ活動の輪

 右の写真は、別子銅山の角石原ヒュッテのご主人である伊藤玉男さんと記念にお取りさせていただいたものです。
 伊藤さんは長年の山林の自然保護に務められ、この度、平成13年秋の褒章として藍綬を授賞されました。
 伊藤さんが話された、『自然のこえに 耳を傾けなさい』というお言葉は今も強く私たちの心に残っています。
 今回環境問題に取り組んだ私たちに、様々な示唆を与えて下さいました。
銅山峰ヒュッテで伊藤玉男さんと記念撮影
銅山峰ヒュッテで伊藤玉男さんと記念撮影 
平成13年(2001)8月17日撮影 


インタビュー ビデオをご覧いただくには、RealPlayerソフトが必要です。 リアルプレイヤ・ダウンロード
銅山峰ヒュッテご主人 伊藤玉男さん銅山峰ヒュッテご主人 伊藤玉男さん
 
平成13年(2001)8月17日 銅山峰ヒュッテにて収録 
 荒廃していった山の様子について
                       (1分23秒) 
ビデオを再生します 
5.56MB
 伊庭貞剛の「緑化」への思いについて
                       (0分59秒) 
ビデオを再生します 
3.99MB
 ”アカモノ”について
                       (0分49秒) 
ビデオを再生します 
3.32MB


前のページに戻る

メニュー 煙害とは 山のくらし 山での製錬
伐採と煙害の果てに 山から浜へそして島へ 煙害克服への道 リサイクルの島へ